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《ペルー小口債務者支援プロジェクトブログ第10弾》Kobranzas S.A.Cが行う金融教育から見るペルーの金融事情

前回前々回とKobranzas S.A. (以下Kobsa) がテレビやラジオで行っている金融教育活動について見てきました。今回は、Web上でKobsaが執筆している金融教育記事の内容から垣間見えるペルーの金融事情について考えたいと思います。

 

 

※ペルー小口債務者支援プロジェクト概要 ・・・ 延滞している零細企業向け/個人向けローンを額面の数%の価格でペルーの銀行から購入し、債務者との返済相談や債務減免を通して約3年かけてその購入額の1.5倍程度での回収を目指すプロジェクト。破産法が未整備な国では債務者が適切な債務の減額を受けることができないことがありますが、こうした減免交渉により借り手には返済負荷が少なく、投資家にとっては高い利回りを期待できる商品となっています。

 

Kobsaの代表であるAna Vera社長はWebマガジン等でも積極的に金融教育に関する記事を執筆しています。6月には、「債務から抜け出す為に」と題して5つのキーポイントを解説しています。(元記事:https://diariocorreo.pe/economia/recomendaciones-para-salir-de-las-deudas-678774/

 

1:返済の意思がある事を示す事

まずは貸し手に対して借金返済の意思がある事を示す事が大切です。借金をしている金融機関の担当者と話し、返済期限延長等の交渉をしましょう。そうすることで金融機関側に、少なくとも返済の意思があることを示す事ができます。

2:自身の予算をコントロールする事

借金返済の為には、余裕を持って返済額を毎月用意する必要があります。毎月の出費項目を見直し、必要ない出費は控え、借金返済の優先順位を上げましょう。

3:返済の遅れをなくす事

特に住宅ローンと車のローンに関して、2ヶ月返済が滞ると法的な対処をとられる可能性があるので注意が必要です。もし月の支払額が多過ぎるならば、交渉して月の支払額を減らしてもらい、新たな返済スキームをつくる事が望ましいです。

4:返済の為の借り入れをしない事

返済の為の借り入れをすることは絶対に避けるべきです。結局借金の総額が増えるだけになってしまうからです。

5:利子率の高い借金の返済を優先する事

ショッピングの為の借り入れや質屋での借り入れは特に高金利の場合が多いので注意が必要です。返済が不可能と思われる場合は金融機関に相談し、新たな返済スキームを組み直してもらうのが望ましいです。

 

さて、このような内容は読者の皆様からは一見「当たり前」に見えるかもしれません。しかし、目の前のショッピングの誘惑やマイホーム、マイカー欲しさに負けてしまうことはきちんと教育を受けた日本人でもある事かも知れません。

 

ペルーにおいては多くのマイクロファイナンス機関が存在し、小額金融の市場は成熟してきています。多くの人がクレジットへのアクセスを手にしている、ということです。そんな中、多重債務は大きな問題の一つです。金融サービスへのアクセスが改善しても、その適切な利用方法を知らない、実践できないと生活向上には結びつかないからです。

 

Kobsaはこのような問題を解決する為に様々なメディアを通じて金融教育を行う事で、ペルーにおける健全な金融市場の発展に貢献しています。


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