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投資管理部長ブログ:【円建て】マイクロローン事業者ファンドについて

平素よりお世話になっております。

投資管理部長の依田です。このたび、クラウドクレジットは直接貸付型運用を行うファンドとしては当社初の「日本円建て」ファンドを2019年1月28日から販売することになりました。それが「【円建て】マイクロローン事業者ファンド1号」になります。一方で、当社はこれまでに「【為替ヘッジあり】マイクロローン事業者ファンド」を販売しておりました。表面的には、「【円建て】マイクロローン事業者ファンド」であっても「【為替ヘッジあり】マイクロローン事業者ファンド」であっても実質的に円建てで一定の収益が見込めるファンドですが、それぞれのファンド固有のリスクが異なりますので、その説明をさせていただきたいと存じます。

まず、【為替ヘッジあり】マイクロローン事業者ファンドの仕組みを説明申し上げます。下記は同ファンドの主要プロジェクトとなる案件①について、資金の流れを表にしたものです。このとき、クラウドクレジット・ファンディング合同会社は出資者のみなさまからお預かりした資金をユーロ(EUR)に両替し、グループ会社であるCrowdcredit Estonia OUに貸し付けるとともに、米国にあるMFX Solutions との間で先日付のEUR売り・JPY買い外国為替予約を締結します。いっぽうで、クラウドクレジット・ファンディング合同会社からEURを借り入れたCrowdcredit Estonia OUは資金需要者である小口融資事業者(B社)にEUR建てで貸付を行います。B社はEU域内でEURが法定通貨となっているスペイン王国で個人向け貸金事業を行っており、借入資金と事業で必要な資金は同一(=EUR)となっています。

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上記の資金の流れにおいては、B社は事業に必要なEUR建て資金をEUR建てで借り入れており、外国為替リスクにはさらされておりません。出資者のみなさまから円建てで受け取った資金はEURに両替されて運用されているものの、実質的に円建てで償還金を支払うクラウドクレジット・ファンディング合同会社が、MFX Solutions という外国為替サービス会社とEUR売り・JPY買い外国為替予約が締結されているために、円建てで資金運用したい出資者のみなさまも、EUR建てで資金調達したいB社も外国為替リスクを負うことのない仕組みになっています。ただ、この場合、万一MFX Solutions が経営破綻等をしたときには、MFX Solutions が締結していた外国為替予約を履行できない可能性があり、投資家のみなさまはそのリスクを負っております。
さらに、上記の運用形態をとっている事業ファンドの場合、万一資金需要者であるB社が貸付満期日に資金返済ができないようなことがあると、クラウドクレジットグループがMFX Solutions への外国為替予約の決済に必要なEUR資金を一時的に立て替え、MFX Solutions から円貨入金が行われた時点で立て替えた金額と立て替えに要した費用をクラウドクレジットグループで吸い上げさせていただき、残余額を投資家様に分配することになります。その後一定期間ののちにB社が返済を行ってきたとき、すでに為替予約の取引はなくなっておりますので、この間に円高が進むと投資家様には為替差損が生じる可能性がございます。

【まとめ】

  • 調達資金と運用資金との間でギャップが出ている会社=クラウドクレジット・ファンディング合同会社
  • 為替リスクを回避するための取引=MFX Solutions との先日付外国為替取引(為替予約)
  • 為替リスク回避のための取引締結による追加リスク=MFX Solutions の信用リスク
  • 万一資金需要者(B社)が予定通りの返済をできないと、貸付満期日以降は為替リスクが発生

次に、【円建て】マイクロローン事業者ファンドの仕組みを説明申し上げます。下記は同ファンドの主要プロジェクトとなる案件①について、資金の流れを表にしたものです。このとき、クラウドクレジット・ファンディング合同会社は出資者のみなさまからお預かりした資金を外貨に両替することなく、グループ会社であるCrowdcredit Estonia OUに日本円のまま貸し付けます。また、クラウドクレジット・ファンディング合同会社からJPYを借り入れたCrowdcredit Estonia OUも資金需要者である小口融資事業者(B社)にJPY建てで貸付を行います。B社は日本では事業を行っておらず、事業に必要な資金はEURなどですので、借入資金と事業で必要な資金との間にギャップが生じています。

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上記の資金の流れにおいては、B社は事業に必要なEUR建て資金を調達しておらず、JPY建てで借り入れており、借りたJPYを自社でEURに両替する必要があります。また、返済期日が来た時には、事業で発生したEUR建て収益をJPYに両替して返済する必要があります。すなわち、B社が外国為替リスクを負っている状態です。しかしながら、外国為替リスクを負うということが、常に損失をもたらすわけではありません。両替コストや貸付金利を無視して、簡単にケーススタディで説明いたします。

ケース1:B社が1億円を借り入れたときのレートが1EURが125円だったのに対して、ローン期日のレートが1EURあたり140円まで円安が進むケース
ローン開始時B社資金調達額: EUR 800,000.00
ローン満期時B社返済所要額: EUR 714,285.71
⇒ 円安が進むと借入時よりも少ないEUR貨を返済するだけでよくなる

ケース2:B社が1億円を借り入れたときのレートが1EURが125円だったのに対して、ローン期日のレートが1EURあたり110円まで円高が進むケース
ローン開始時B社資金調達額: EUR 800,000.00
ローン満期時B社返済所要額: EUR 909,090.91
⇒ 円高が進むと借入時よりも多くのEUR貨を返済しなければいけなくなる

なお、上記の運用形態をとっている事業ファンドの場合、万一資金需要者であるB社が貸付満期日に資金返済ができないようなことがあっても、MFX Solutions との外国為替予約はございませんので、クラウドクレジットグループが立て替え金などを払うこともございません。一定期間ののちにB社が返済を行ってきたときも、B社の返済は円貨で行われますので、貸付満期日から実際の返済日までの期間に為替リスクが生じることはございません。
(注: 当該ファンドはマイナープロジェクトとなる案件②にて少額の資金をEUR建てで運用いたします。そのため、ご出資いただいた全額が円建てでの運用となるわけではございませんので、ご留意いただけますようお願い申し上げます。)

【まとめ】

  • 調達資金と運用資金との間でギャップが出ている会社=B社
  • 為替リスクを回避するための取引=なし(=B社が為替変動リスクを負っているため、ローン満期日に円高が進んでいた時には、B社の返済負担額がEUR建てで大きくなってしまう。その半面で、円安が進んだ場合にはB社は為替差益を享受できる)
  • 万一資金需要者(B社)が予定通りの返済をできなかったとしても、貸付満期日以降に為替リスクは生じない

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