資産運用とフィンランド個人向けローンをつなぐ裏方 – クラウドクレジット商品部のフィンランド出張記(4)
第4回Fellow Finance(とファイナンス)紹介編
バーサから、ヘルシンキに戻る (((((((( っ´_ゝ`)っ
さて雪のバーサに2泊し、ヘルシンキに戻ります。今度の訪問先は首都のど真ん中、中心街から徒歩圏内です。
フィンランドの鉄道網のハブとなるヘルシンキ中央駅から歩くこと約20分、Fellow Financeのオフィスに向かいます。
Fellow Finance本社所在地
まずはホテルを出て、ヘルシンキ中央駅の横を通り過ぎます。
ヘルシンキ中央駅の正面 素人目ですが、シンプルかつ重厚な建築です。
ヘルシンキ中央駅の正面入り口を挟むように、印象的な像が4体。
手にランプを持っています。彼らを題材にしたラップ曲もあるとか。。。
石畳の商業地を抜けて歩きます。
3車両連結のトラム 道がうっすら凍っていて滑ります。
石造りのビルの多い、歴史を感じるショッピング街。日本では銀座のようなところかも。
さらに歩き、商業地を抜けてGoogle Mapを頼りにどんどん進みます。
立派な建物ですが、何の建物かは不明。
いよいよ目的地周辺です。
フェローファイナンス入居ビルの近所 2つのとがった屋根の教会が目に入りパチリ。
そして到着! フェローファイナンスは赤レンガの大きなビルに入居していました。
フロアは違いますが幼児向け音楽教室も入居しており、乳母車を押したママさんたちも続々とビルに入っていきます。
赤レンガのビルと、フェローファイナンスの表札。
訪問日時 :2015年11月24日
面談者 : Antoni Airikkala Director, New Markets(新市場開拓担当アントニー取締役)
会社概要 :(クラウドクレジット調べ2015年11月時点)
社名 Fellow Finance Oyj
設立 2013年
サービス開始 2014年
社長 Jouni Hintikka, CEO & Co-Founder
社員数 8名(うちエンジニア 1名(情報技術担当取締役))
URL http://www.fellowfinance.fi/en/home
主要株主 創業メンバーの資産管理会社(計57.3%)およびTaaleritehdas社(上場アセットマネジメント会社、http://www.taaleritehdas.fi/en)
実績統計データ http://www.fellowfinance.fi/en/for-investor/statistics
貸付累計 €52,277,625.49(2016年3月末、約64.3億円)
投資家数 2,349名
債務者数 64,052名
Fellow Finance, Antoni Airikkala Director, New Markets(新市場開拓担当アントニー取締役)
以下、先方コメントをもとに著者が作成:
創業メンバー
- フェローファイナンスは、消費者金融業界で15年以上の経験を持つ創業メンバー4名が創業した会社である。メンバーそれぞれが預金開拓、投資、財務、債権回収におけるノウハウをもちヨーロッパ各国で合計6億ユーロの貸付に携わってきたなど、フィンランド随一の経験値をもつ。
創業メンバーの方々
左より順に、
Pasi Rantamäki CFO, Teemu Nyholm CIO(共同創業者), Harri Tilev取締役(共同創業者), Jouni Hintikka CEO(共同創業者)
一見イタリアのイケメンコーラスグループのようですね ( ͡° ͜ʖ ͡°)イケメン✧
オフィス内の様子 フローリング、照明、壁の色使いなど、どれをとっても、おしゃれです。北欧のオフィスはどこもおしゃれなのでしょうか?
事業モデル、貸付の法的枠組み
- サービスのコンセプトとしては、お金を必要とするひとと、お金にいくらかの余裕があるひとがつながるマーケットプレイス(取引市場)である。借手が自身の借り入れ条件を決め、投資家はフェローファイナンスの信用度の格付け(レーティング)を参考に金額を決めて投資する。
1. 借手がローン条件を選択
2. フェローファイナンスがレーティングを付与
3. 貸手(投資家)がローン条件とレーティングを踏まえて投資を判断
※ たとえばレーティングの低い借手が、低金利、長期間でローンへの投資を募集しても、投資家の立場では魅力的でない。つまりお金が集まりにいので、借手は相応の金利と期間、あるいは金額を条件に資金調達することになる。
- フェローファイナンスは投資家と借手を仲介するあっせん業者であり、投資家と借手の契約は直接締結される。ただし延滞債権を自動的に売却するために、フェローファイナンスは契約を終了させる権利を保有する。契約書面にはローンの借手と、同じローンを購入する共同投資家のIDが明記されるが、借手と投資家の双方に匿名性は保たれる。
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各ローンの募集期間は2週間であるが、希望額の満額が集まらずともローンは部分的に提供される。借手は高学歴で定職をもつフィンランド人である。平均年齢は45歳で月収は中央値(*)で2,500ユーロ(約30万円)。
(*)上位と下位のちょうど中間の人
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フェローファイナンスは、投資家から気軽に投資してもらうため一切費用をとらないが、借手からは、口座開設手数料と月々の口座管理手数料を10ユーロ徴収している。
ローン延滞時の対応
- ローン実施後、90日間返済を延滞すると、当該債権は自動的に債権回収業者に簿価の70%の金額で売却され、損失額が確定する。また投資家は、保有する債権をフェローファイナンスウェブサービスの二次売買市場(セカンダリマーケット)で売却することも可能である。順調に返済中のローンであれば通常は簿価よりも高値で売却ができ、逆に延滞債権であれば簿価より安くなる傾向がある。
セールス&マーケティング
- 借手の開拓は、ウェブマーケティングを中心としている。2015年11月には、複数のレンディングサービスを一括して比較表示するリードジェネレーター企業と提携し、借手の登録者数を大幅に増やした。サービス費用はフェローファイナンスの負担になるので、投資家の利回りには影響しない。一方で投資家の開拓には、オンラインで小口投資家を大規模に集めることに加え、オフラインで大口投資家を集める両方の努力をしている。小口投資家はウェブ経由で集まるが、大口投資家は誰かの紹介など『昔ながらの』営業手法で開拓するほかない。
多国展開
- 各国でローン返済のカルチャーが違うので、国ごとに詐欺対策をどう厳格にするか注意が必要であるが、大事なことは借手に返済する余力があるかどうかである。
- 冗談で『ヨーロッパは北に行くほど義理堅く借りたお金を返済する、南は…笑』とのこと。(確かなデータはありません。)
その他
- エストニアとフィンランドの交流は活発であり、一日20便のフェリーが両岸を行き来している。両国は言語も類似しており、互いの言語を話すことはできなくとも、話している内容をある程度理解できる。
どうりで、エストニアの提携業者Bondora(ボンドーラ、ソーシャルレンディング企業)もフィンランドに進出しているんだろうな、と納得。
(´-`).。oO まてよ、もはや富山弁と標準語を使える自分も地元の友達もバイリンガルと称してよい気がしてきた。
インタビュー後にアントニーと食べたランチ サケのグリル。もちろん美味しい (*‘∀‘)
レストランでは、アントニーの大学時代の旧友にばったり遭遇します。フィクスーラのときもミリヤCEOの旦那さんとレストランで偶然会いましたが、フィンランドの都市はわりとこじんまりしているのでしょうか?
そして、ランチを終え早々に帰国の途につきます。
<続く>