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資産運用とアフリカ中小企業金融をつなぐ裏方 – クラウドクレジット商品部のカメルーン出張記(3) –

前回までのあらすじ、カメルーンのOvamba(オバンバ)社にて実際のオペレーションの様子を伺い、晩ごはんもおもてなしいただきました(感謝)

到着2日目は、Ovambaにトレードファイナンスを利用する中小企業への訪問をアレンジいただきました。

まずは朝、オフィスに集合し、カメルーンの揚げパンで腹ごしらえ。

くどいですが、左がMarvin CEO(32)、右がViola COO(年齢聞いたらびっくり)です。

ではさっそく顧客先に移動。

移動中の一枚

いかしたフォルムのバイクです。バイクタクシーでしょうか。

取引先の建設中の倉庫にて

凛々しい表情のMarvin CEO ( -`д´)キリッ  

うしろで同行してくれたスタッフが見守ります|ω・)

住宅ローンと頼母子講

ドゥアラには建設中の建物、家屋がたくさんあります。

当地では住宅ローンなど(個人向け)長期のローンがないので、こうした建設は資金調達できればその分だけ建設が進むとのことです。

その結果、建設進行中の建物がいたるところに散見される状況となった、と。

ではそうした、住宅ローンのように一時的に多額の出費が必要となった個人、あるいは中長期の資金ニーズがある中小企業がどうやって資金調達しているかというと、頼母子講(たのもしこう)のような各種コミュニティの共同基金から借りるのが一般的になっています。

カメルーンの頼母子講には、同じ地域出身者、同じ部族、あるいは子供が学校の同じクラスなどなど、さまざまなグループで構成されているそうです。

金融機関の手が届かないお金のニーズを仲間うちで融通しあう。。。まさにソーシャルファイナンスの源流ですね(今思いつきました)。

 

以下、顧客訪問メモ(3社)です。

 

1.タイヤ輸入業者

 

本社外観

 

会社 A社
設立 2010年4月
事業 タイヤ輸入販売業
従業員 約12名
ファイナンス理由

商品供給元に通関前の時点で発生する、購入代金の70%の前払いと通関費用を工面するため。

当社は中国RoadMax(ロードマックス)ブランドのタイヤを国内で独占的に販売しており、市場規模の拡大を指向している。一方で、常に在庫切れとそれゆえの市場シェア低下を恐れている。

Ovambaとの協業を通して、コンテナ発注数を増やすことが可能となる。

取引のきっかけ 

Ovamba側がつてを使って、8か月前に当社にアプローチした。

『最短48時間で入金される』(実際は72時間)とOvambaから聞き、まさかと思ったが実際に入金されたので、『まるでナイジェリア映画のようにでき過ぎている』ととても驚いた。

銀行であれば、担保がなければ融資を受けられないので、このように融資を受けられて驚いた。

要望 

銀行ローンは最長で3年間。Ovambaにも短期だけでなくこのくらいの期間のサービスを提供してほしい。

(Marvin:当地の銀行は、3年間が最長。先進国の5-10年といったローンに比べて、この程度の期間しか融資する気がない。)

今後について 

銀行融資は煩雑であり、好まない。かつ、これと決めたビジネスパートナーとは長く付き合う主義なので、今後もOvambaの代わりに銀行と付き合うつもりはない。

現状では、インフラ周りの大型タイヤを扱っているが、ゆくゆくは小型の一般車両タイヤの販売も手掛けたい。

 

2.家庭用品輸入業者

本社兼倉庫外観

倉庫内の様子

会社 B社
設立 2012年2月
事業 ベッドシーツほか、ジェネリック医薬品など家庭用品の輸入販売
社員 20名
ファイナンス理由

銀行からのローンは、厳密な手続きによる使い勝手の悪さから避けていたが、顧客の需要を満たすために輸入量を増やしたかったため。

カメルーンの中所得層は輸入商品への需要をともない増加中である。

これまでの主力製品であるシーツは高品質かつ適切な価格が顧客の満足と信頼を得ている。現在はジェネリック医薬品が売上増加をけん引中。

コンタクトのきっかけ

8か月前、どこから電話番号を入手したのか知らないが、Ovambaの営業から電話がかかってきた。

通常は中国に滞在しており、ドゥアラとは時差があるのだが構わず電話がかかってきた(苦笑)。

要望

追加の資金需要はある。が手数料が高いので、安くしてほしい。

そのほか

設立は当初は、親せきからの資金調達で事業を立ち上げた。

年末は故郷に戻る季節であるが、稼いだお金で地元の人たちにプレゼントを贈るのが習慣となっている。

なかには医薬品を配る人たちも多く、これをヒントに医薬輸入業の新事業を思いついた。

 

3.ガラス輸入業者

こちらの社長は中国・武漢のご出身。著者とは筆談で会話し、漢字の偉大さを実感!アフリカでアジア人に会うと安心感!

 

倉庫外観

倉庫内

会社 C社
設立 2012年7月  
事業 ガラス製品と金属・アルミ製のガラス枠(窓、ドアほか)の輸入販売
社員 約15名
ファイナンス理由 

輸入を増やし港の在庫を一掃するためにファイナンスを希望。

カメルーン市場は、当社が参入するまではガラス製品は木製の枠を使用していたので、顧客にアルミ枠の良さを伝えるのに苦労したが、ようやく事業が成長軌道に乗るところである。

にもかかわらず、現状の利用銀行は当社が必要なほど素早く対応ができないので、Ovambaからのファイナンスを受け入れた。

コンタクトのきっかけ

10か月前にOvambaの営業スタッフから電話がかかってきて、同社と付き合うことになった。

コンテナ3箱を2か月で輸送していたのが、Ovambaとの取引で同じ期間に5-7箱まで増やせた。

今後

事業拡大のため、もっと与信枠を増やしてほしい。

起業背景など

統計データを分析してカメルーンの成長を知り、実際にアフリカ4か国を見て回ったうえで、この国で一人でビジネスをはじめた。

3年前からカメルーンで営業開始し、1.5年前からは完全に移り住んでいる。

中国からガラスを輸入し、カメルーンでアルミの枠を取り付けて、建設会社や施工職人に販売している。

外国人として信用がないステージから始まったビジネスなので、期日は必ず守ることを徹底し顧客からの信用に応えている。

 

以上、上記3社はOvambaが私に同行をさせてくれたことからも優良取引先と思われますが、いずれも取引が始まったきっかけが、Ovamba側からの営業開拓でした。

また、うち2名は、社長がどこの国にいようが時差があろうが、気にしない(そもそも海外にいると認識していないかも)という、積極的な電話営業がきっかけであったと、苦笑いしながらお話ししてくださいました。

もちろん弊社クラウドクレジットとしては、パートナー企業Ovambaの優良企業への積極的な営業攻勢は、大歓迎です!

 

さて二日目のランチは、顧客訪問の合間におしゃれな郷土料理のお店に連れて行ってもらいました。

経営陣の二人だけでなく訪問先の社長や、Ovambaスタッフも参加したので、ビジネスの話題以外にも、お互いに食文化について大変盛り上がりました!

 

レストラン内観

カタツムリと生魚

たびたびですがカメルーンは地方ごと、部族ごとのカルチャーが根強く息づいています。

実際ランチにご一緒いただいた社長も、当日夜に地元の村長(フォン/Fon)がドゥアラにくるのをもてなさなければならない、と話していました。

そして、この社長のようにドゥアラで働く多くのひとは地方出身者で、彼らはみな各出身地域への誇りを持っています。

 

まあ外国人同士が顔を合わせると、よく郷土料理の話題から会話が始まります。

そこで著者はランチで日本の誇る『寿司と刺身』の話題をふったのですが、カメルーンでは魚を生で食べる習慣がなく刺身と寿司の説明に、地元スタッフはこういう(+_+)表情で、あからさまな驚きと嫌悪感を見せてくれました笑

では、逆にカメルーンでは何を食べるんだ!?と、話を聞いてみると、独自料理としてはカタツムリ料理が一般的で、地元の巨大なカタツムリ(!)の身を生でつぶしてこねて食べると最高においしいそうです。

さらに部族によってはチョーク(石灰岩)を混ぜて食べており、特に妊婦がミネラル分を補給するのにチョークだけを食べるのは一般的とのこと。

つまりこんな感じ、

カメルーンの方 『ナマザカナ』 (+_+) 

著者 『ナマカタツムリのペースト』 ( ゚Д゚) 

Viola「ラクダの肉はパサついておいしくなかった」

著者 『ラクダ?』・・・・・・・(;´・ω・)セーフ??

ちなみにMarvinは、タイ料理をヒントに地元の青菜の炒め物料理におつまみのピーナッツを混ぜて食べてみせて、

『自分は地元のルールに染まる、物わかりのよい人間ではないことを身をもって示している』

とのことです(が、スタッフは本気で嫌な顔をしていましたので。。。)

ほんのり甘い蒸したバナナと、ホウレンソウのような少し苦みのある青物野菜をすりつぶし、エビとまぜた料理(『ンドレ』とのネット情報あり)

お皿いっぱいのカメルーン(ドゥアラ)料理

人型のオブジェ

顔のオブジェ。目が腫れています。

二日目を終えて

今回の写真では分かりませんが、不思議なことに、欧米出身の経営者2名と著者は、一日中ひっきりなしに汗をかき水分補給していたのですが、Ovambaスタッフと地元の人たちは全然汗をかいていませんでした。

ずっと暮らしていると、暑い気候に体が慣れるのでしょうか? 

 

次回は、いよいよ最終回 日本帰国編です!


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