JOBS法施行による米国クラウドファンディング市場への影響
弊社ブログでは、投資というかたちを、ウェブというインターフェースを通して、多様化させていきたいという思いから、投資型のクラウドファンディングの紹介を行ってきました。
投資型クラウドファンディングの先進国といえば、アメリカ。
アメリカは、いち早く投資型クラウドファンディングにまつわる法令を成立させています。
その一つがJOBS法です。新生企業育成法として投資資金の誘致及び上場を容易にし、起業の活性化、雇用創出のために作られた法案です。
2011年9月、オバマ大統領が国会の承認要請の演説で初めて紹介し、2013年9月からJOBS法第2編という法律が施行されました。これにより、中小企業とスタートアップ企業の投資資金の誘致に関する規制が緩和され、上場企業でなくても、インターネット上で資金を募集できる権利を、比較的簡単に得られるようになりました。
余談ですが、JOBS法のネーミングもアメリカならではでユニークですね。Jumpstart Our Business Startups の略ですので、直訳すると「私たちの操業開始事業をジャンプスタートさせよう!法」でしょうか。
投資家はというと、公認許可を得ている(アクレディテッド)であれば、投資型クラウドファンディングへの参加が可能です。アクレディテッド投資家として認定を得るためには、約1億2000万円以上の資産を保有しているか、過去3年の年収が約2400万円以上である旨を提示しなければなりません(2015年3月:1ドル120円として概算)。
このJOBS法第2編が執行されて一年後の市況はどうだったのでしょうか。
1年目は、投資型クラウドファンディングにより、534社が目標資金を獲得することができました。投資された額の合計は約25.4億円でした。平均すると、一社当たり、47百万円の資金を得ることができた計算になります。
*1アクレディテッド投資家は、1億2000万円以上の資産を保有しているか、向こう3年の年収が2400万円以上であることを証明しなければならない(2015年3月:1ドル120円として概算)。
この実績は、アメリカのアクレディテッド投資家の僅か3%によるもの。アメリカに、アクレディテッド投資家は約8百万人いると言われており、そのうちの約24万人のみが、JOBS法第2編適用1年目より、投資を行ったことになります。
投資型クラウドファンディングでは他国を凌いでいるアメリカでさえ、潜在能力に対して、まだまだ市場規模が小さいという感触を持っている専門家は多いようです。裏を返せば、投資型クラウドファンディングは、伸び代が大きいということになります。それをうけてか多くの株式投資型クラウドファンディングのプラットフォーム及びコンサルティング会社が現れ始めています。
更に、現在アメリカでは、JOBS法第3編の草案にも取り組んでおり、成立されると非アクレディテッド投資家も投資型クラウドファンディングにて投資を行うことができるようになります。
今後も急成長が見込まれる投資型クラウドファンディングをわたしたちクラウドクレジットも応援しています。
出所・参考:
http://www.forbes.com/sites/chancebarnett/2013/09/23/the-crowdfunders-guide-to-general-solicitation-title-ii-of-the-jobs-act/2/
http://www.forbes.com/sites/kaykoplovitz/2014/09/26/equity-crowdfunding-at-year-one-whats-the-impact/