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分配チャート機能の見方について

先日、分配チャート機能のリリースについてご案内申し上げましたが、今回は各数値の見方について詳しく解説させて頂こうと思います。

 
今回は簡単なケースをもとに分配チャート機能に記載されている各数値が何を意味しているのかを考えたいと思います。
 
ケース
(*このケースで取り扱われている金額は全て源泉徴収前です。)
(*このケースで取り扱われているファンドの仕組みは説明の為に単純化したものです。実際のファンドとは異なりますのでご注意ください。)

 

今現在、2017年1月1日だとします。
 
Aさんは去年1年間(2016年1月から2016年12月まで)毎月25日に1万円ずつクラウドクレジットの様々なファンドに投資しました。合計12万円を投資したことになります。
このうち、1月、2月に買ったファンドはそれぞれ7か月後に満期一括で分配金が支払われました。その他のファンドは購入の8か月後から1年間にわたって元利均等で毎月分配金が支払われます。
 
さて、1月、2月に1万円ずつ投資したファンドからは、それぞれ1万500円の分配が既にありました。
3月、4月に購入したファンド(毎月分配型)の分配はもう始まっていますが、その他のファンドに関してはまだ分配は始まっていません。(3月に購入したファンドからは、8か月後の11月に第1回目の分配が、9か月後の12月に第2回目の分配がありました。
 
同じように、4月に購入したファンドからは8か月後の12月に最初の分配がありました。)3月、4月に購入したファンドの分配額は、それぞれ月875円でした。
 
その他の元利均等型のファンドに関しても、毎月の分配額は同じく875円の予定です。
【Aさんの分配実績と分配予定】
*赤いラインから左が分配実績、右が分配予定
 

 

この時、Aさんが過去(2016年12月以前)に出資した金額の合計は、12万円です。
また、Aさんが過去に受け取った分配金の合計は、
 1月に買ったファンド(運用期間7か月、満期一括型)の分配金1万500円
 2月に買ったファンド(運用期間7か月、満期一括型)の分配金1万500円
 3月に買ったファンド(運用期間3年、毎月分配型)の分配金875円×2か月分
 4月に買ったファンド(運用期間3年、毎月分配型)の分配金875円×1か月分

合計23,625円になります。

 

ここで一つ、意識して頂きたいことが、分配金の内訳についてです。
分配金は、通常、「出資金額の返還」と「利益の分配」の2つの部分に分かれます。

 

例えば、1月に買ったファンドの分配金1万500円の内訳は、1万円が「出資金の返還」、500円が「利益の分配」です。
Aさんが出資した1万円の元本が500円の利息を生み出したよ、ということです。
 
これは元利均等毎月分配型に関しても言えることです。
 
3月に買ったファンドの11月の分配金875円のうち、833円が「出資金の返還」、42円が「利益の分配」です。(1万円の元本を12か月に分けて返しているので、「出資金の返還」は10,000/12=833.33333…. 一方、500円の利益を12か月に分けて返しているので、「利益の分配」は500/12=41.66666….)
(注:実際のファンドでは、各月における出資金と利益の割合は毎月変わりますが、ここでは説明を簡潔にする為、単純化しています。)

 

つまり、Aさんが過去に受け取った分配金の総額は23,625円なのですが、そのうち、出資金の返還が22,499円、利益の分配が1,126円となります。
(出資金の返還額=10,000円+10,000円+833円×2+833円=22,499円)
(利益の分配額=500円+500円+42円×2+42円=1,126円)
 
 
長くなりましたが、このケースを元に分配チャート機能の各数値を解説したいと思いいます。
 
 
まず、左上の①「預託金残高」ですが、これはシンプルで、「その月の最後の分配が完了した時点で預託金口座にある残高」です。
 
上の例で言うと、もし2017年1月以前に預託金口座にAさんが入金しておらず、また、預託金口座からAさんの銀行口座に払い戻しもしていなかった場合、分配された総額の23,625円が「預託金残高」です。
 
さて、上段の左から二番目②「想定分配額」ですが、これは「今後分配が想定されている金額の総額」になります。
上の例で言うと、3月~12月に購入した元利均等毎月分配型のファンドの分配が2017年1月以降も残っているので、この金額の合計、102,375円になります。(上の図で、2017年1月以降の分配予想のものを全て足し合わせた額。)
月ごとの想定分配額を棒グラフで示したものがグラフのBの部分です。
 
最上段の一番右、③「推定資産残高」ですが、「預託金残高」と「想定分配額」を足し合わせた金額です。
これの時系列の推移を示したものがCの折れ線グラフになります。
 
将来の分配金について、チャートでは36か月先までを表示しております。
保有ファンドの満期がそれよりも長い場合、チャートには表示されませんがすべての残高には満期まで想定されている金額が含まれております。
 
2段目の一番左、④「実績出資金分配額」は、これまでに分配された金額のうち、出資金の返還分を合計したものです。ですので、上のケースで言うと22,499円です。
 
⑤「実績利益分配額」は、これまでに分配された金額のうちの、利益の分配を合計したものですので、上のケースで言うと、1,126円です。
 
そしてこの二つ、「実績出資金分配額」と「実績利益分配額」を足した金額、つまり、これまでに分配された総額(上のケースで言うと23,625円)が、⑥「実績分配総額」です。
月ごとの実績分配額をグラフで表したものが、グラフのAの部分です。
 
さらに、グラフの下の⑦「出資金残高(運用開始前)」は、これまでに購入されたファンドのうち、運用がまだ始まっていない金額を表します。
 
上のケースで言うと、12月25日にAさんが買ったファンドの運用はまだ始まっていないので(通常、運用開始はファンドの購入から2週間ほど後になる為)、10,000円は「出資金残高(運用開始前)」となります。
 
*なぜ運用が始まっていないファンドへの出資金額を別途記載しているかというと、運用が始まっていないということは子会社への貸付が完了していないということであり、貸付実行時の為替レートが決まっていないからです。
 
為替レートが決まるまでは、将来の想定分配金額を計算することができない為、別途管理する必要があります。
⑧「出資金残高(運用中)」は、運用中の出資金の金額です。
 
上のケースで言うと、Aさんは全部で12万円出資したわけですが、このうち、22,499円の出資金は既に分配(返還)されているので、運用中ではありません。
また、12月に購入したファンドの運用はまだ始まっていません。
ですので、「出資金残高(運用中)」には120,000円-22,499円-10,000円=87,501円が表示されます。
 
ここまでで、分配チャート機能に記載されている全ての数字の説明は終わりです。

 

さて、ここからは、これらの数字を使って、どのように自分のポートフォリオのパフォーマンス(自分が結局どれだけ投資して、どれだけリターンを得られるのか)を分析できるのかを解説します。
 

お客様が最も気になるのは、結局自分はいくら投資して、それが最終的にいくらになって返ってくるのか、ということでしょう。

上のケースで言うと、Aさんは合計12万円投資して、最終的にはそれがいくらになって返ってくるのか、ということです。
 
まず、投資した金額の総額は
⑦「出資金残高(運用開始前)」+⑧「出資金残高(運用中)」+④「実績出資金分配額」でみることができます。
 
お客様が投資された金額はこの三つのカテゴリ(運用開始前の出資金か、運用中の出資金か、返還済の出資金か)のいずれかに必ず属するからです。(上のケースでは12万円。)
 
これが最終的にいくらになって返ってくるか(実績+予想)は⑥「実績分配総額」+②「想定分配額」でみることができます。
今までに分配された金額とこれから分配される予定の金額を足し合わせる、ということです。
 
上のケースでは、23,625円が実績分配総額で、102,375円が想定分配額なので、合わせて126,000円です。
こうして、投資した12万円が合計126,000円になって返ってくるんだな、ということを見ることができます。
 
いかがでしょうか?
少しややこしかったかもしれませんが、どの数字もお客様の資産の運用状況を表す重要な数字となっています。
 

 

クラウドクレジットは今後も引き続きお客様の資産運用に役立つ機能の開発に努めてまいりますので、引き続き宜しくお願い致します。

 


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