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BrexitのEUR/JPYの為替レートへの影響につきまして

クラウドクレジットの杉山です。

Brexitに関して、当社の為替ヘッジがついていないファンドに投資をされている方はEUR/JPYの為替レートの動向を気にされていることと存じます。

また、為替ヘッジ付きのファンドに投資をされている方も、中長期的にEUがどうなっていくのかに興味を持たれている方が多いのではと存じております。

この機会に、EUR/JPYの為替レートやEUの今後について、当社が注視しているポイントをこちらのブログにて数回に分けてご説明します。

 

 

まず今回は、BrexitのEUR/JPYの為替レートへのインパクトを振り返ります。

国民投票の結果が「離脱」とわかったことにより、EUR/JPYの為替レートは5%程度下落しました。

 

リスクオフによるUSD/JPYの下落もあったためBrexitのユーロ自体への影響(EUR/USDの変動)をみると、投票結果の判明前後で3%程度下落しています。

 

これがユーロにとってどの程度の影響度だったかというと、ここ3か月のEUR/USDの最安値に到達はしているものの、ほぼレンジ圏内にとどまっていることがみてとれます。

 

スパンを4か月から20か月に広げてみます。

2015年に入ってからはじまった、EUR/USDのレンジ相場内で推移していることがみてとれます。

 

レンジを20か月から5年に広げてみます。

(出所:Google Finance)

 

最近のEUR/USDの変動は非常に小さなものであることが見てとれます。

 

2014年に大幅にEUR/USDが下落したのは、ECBがマイナス金利を6月に導入(マイナス0.1%)し、9月にマイナス金利の幅を広げた(マイナス0.2%)ときのものです。

 

2015年に入り、ユーロ圏のインフレ率がマイナス圏から脱却したことを受け、為替の下落も収束しました。

以上の通り、通貨ユーロにとってはユーロ圏の経済、物価の動向やECBの政策のインパクトが大きく、Brexitの影響は小さいことが分かります。

 

そもそもユーロ各国の英国との貿易は、それぞれGDP比で1%、2%あるかないかで、貿易がなくなるわけではなく、ほんの少し減ったり非効率になったりするだけの話ですので、GDPへの影響は0.0X%とか0.00X%のレベルの話になってきます。

 

このように、Brexitはユーロ圏への投融資が多いクラウドクレジットのファンドへの影響としては、リスクオフからくるUSD/JPYの下落が主なリスクとなっており、BrexitによってEUR/USDが下落したりユーロ圏で貸し倒れが増えるほどの景気後退が起こることは現時点では考えにくくなっています。

 

引き続き、こちらのブログにて外貨投資を行う意義、為替レートの下落局面でどう考えるか、EUの今後の可能性についてご説明して参ります。


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