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資産運用とフィンランド個人向けローンをつなぐ裏方 – クラウドクレジット商品部のフィンランド出張記(2) –

第2回Fixura(フィクスーラ)紹介 前編

首都ヘルシンキから飛行機で1時間。北北西450キロ離れた場所に位置する人口6万人の地方都市バーサ。そのオフィス街中心にFixuraは位置します。

Fixuraの本社があるVaasa(バーサ)

フィンランド到着翌日11月22日のフライトで早速現地に向かいます。 (((((((( っ´_ゝ`)っ

ヘルシンキから出発1時間後、雪のバーサに到着。

 

雪景色のなかバーサ空港からホテルへのタクシー

バーサ空港からホテルへのタクシーにて

ドライバー               『フィンランド語は難しいんだぞ~、日本語より難しいって、こないだ乗ったドイツ人の客が言ってたぜ(誇らしげ)』 (*‘∀‘)

筆者                  『さすがフィンランド語ですね!(てきとう)』 (´Д`)

リトル筆者               (まったく、田舎もんに限ってそういうこと言うんだよな~) ┐(´д`)┌ヤレヤレ 

リトル筆者               (日本語のほうが難しいに決まってるだろ(富山県出身)) (゚Д゚)ノ クワッ

 

 

ホテルの窓から。 すっかり雪景色。

ホテル受付のおばさまの話では、著者のバーサ到着(11/22)直前に雪がまとめて降りようやく冬らしくなったとのこと。

例年より約ひと月遅れだそうです。

バーサの人たちから何度か聞いたのですが、「ようやく雪が降って街の景色が明るくなり安心した」とのコメントです。

天候と緯度のせいで冬の日照時間が短い当地では、雪が積もると灰色の町から白く変わり少々明るくなるので安心するとのこと。

訪問日11月23日の最低気温は氷点下6度。日中もほぼ氷点下。

路面が凍り付くなか、冬用タイヤの自転車が活躍していました。

 

翌朝11/23午前Fixuraのオフィスに訪問です。

 

Fixura入居ビル外観 看板に雪が積もっています。

 

訪問メモ1:Fixura 

日時:2015年11月23日

面談者:Mirja Palola CEO, Niclas Snellman CFO, Christian Langfors CTO

会社概要:(当社調べ2015年11月時点)

社名                    Fixura Ab Oy

設立                  2009年1月

サービス開始       2010年7月

社長                  Mirja Palola

社員数   12名(うちエンジニア 4名)

URL                  https://www.fixura.fi/en-fi/home/ 

 

実績統計データ https://www.fixura.fi/en-fi/invest/ 

サービス開始(2010年7月27日)以来貸付累計:  € 51 327 975.70(約63.4億円)

平均ローン金額: €4025,72(約49万7千円)

平均ローン期間: 42か月

投資家への支払:    € 26 024 326.08(約32.1億円)

利息支払:                     € 7 612 498.42(約9.4億円)

手数料後平均年利:            10,25 %

 

Fixura経営陣の面々と。

左から、Niclas Snellman CFO(ニクラス), Christian Langfors CTO(クリスチャン), Mirja Palola CEO(ミリヤ), 筆者。

緊張気味?のニクラスCFOとクリスチャンCTO、笑顔のミリヤCEO 

 

以下、先方コメントを元に著者が作成:

創業の背景

2010年の創業当時、フィンランドでは銀行危機が極めて深刻で消費者は銀行の代わりに小口ローン業者から高い利息で借りていた。一方で、資金の出し手となる投資家は銀行危機に影響され金融マーケットが不安定となり、ローリスクな投資機会がなく困っていた。こうした中で、創業メンバーはイギリスで立ち上がりつつあったソーシャルレンディングに触発され、『貸手と借手の双方がローン条件に納得するサービス』の実現を目的として、フィンランド初のソーシャルレンディングサービスを立ち上げた。

 

創業メンバー、及び経営陣

創業メンバーは4名おり、2015年現在でも彼らはまだ30歳になったところである。取締役会には創業時出資者でもある資産運用会社経験者を招致し、経営プロフェッショナルとして現在のCEO(Mirja/ミリヤ氏)をヘッドハントし経営体制を固めた。なお創業者4名とも取締役や、営業パートナーとして当社と事業上の関係が続いているが、うち2人は現在新しい会社の起業にも携わっている。

 

ミリヤCEO

ミリヤCEOの出身地はバーサからさらに北に150kmの、もっと小さな地方都市出身。コンサルティングファーム出身で、エネルギーセクターを担当していたが担当先バーサの一地方企業が、社員数十名から数千名の国際企業にまで成長した間のマネジメント経験を買われて当社CEOに就任した。

 

Fixura創業メンバー  (オーシャンズイレブン風?) ( ´_ゝ`)y─┛~~

左より、Jeanette Samuelsson(ジャネット), Sebastian Norrgård(セバスチャン), Simon Sandvik(サイモン), Eric Storsved(エリック)、および創業時投資家のKaj Rönnlund (カイ、取締役会会長)

Fixura社内 モダンで無駄のないオフィスです。

事業性・ビジネスモデル

当社事業は、借手と貸手の仲介・あっせんであり、収益源はあっせんの手数料である。つまり、プラットフォーム上で貸手(投資家)と借手を紹介し直接つなぐ方式であり、自社が自己資金あるいは銀行借入資金でローンに投資したりしない。

サービスの独自性は、借手側も利率(6%から27%)を含めてローン条件を選べることである。ただしFixuraが借手を☆一つから☆五つまでレーティングを付与し、投資家はそれを踏まえて投資するかを判断する。

1. 借手がローン条件を選択

2. Fixuraがレーティングを付与

3. 貸手(投資家)がローン条件とレーティングを踏まえて投資を判断

※つまり、借手が強気過ぎるローン条件であると、レーティングとかい離ができて投資が集まりにくくなる。

投資家は投資判断のために借手の属性情報をウェブ上で入手できるが、投資家、借手双方とも匿名性は保たれる。

 

借手の信用分析

フィンランドでは、消費者のカード支払いが滞った場合ネガティブなクレジットヒストリー(※)は入手可能だが、ポジティブなクレジットヒストリーの提供がない。つまり、ただ過去に何かしらの理由で支払延滞があった場合、それだけが履歴として残ってしまうので、それだけでは信用度を測るには足りない。そこで当社はパートナー企業と協力して銀行口座の取引履歴を分析し、借手のレーティング策定に活かしている。

※クレジットヒストリー:クレジットカードの使用履歴。 延滞が無ければ良い履歴、延滞ばかりでは悪い履歴。悪い履歴の極端な例は、日本でいう『ブラックリスト』がそれに近い。

 

ローン返済延滞時の対応

ローン返済の延滞が発生した場合、延滞から14日後に回収業務を債権回収業者に業務委託し回収を継続するが、第三者へのローン売却による資金回収は行わない。

発行されたローン債権の二次流通市場(セカンダリマーケット)は、当面オープンの予定はない。(2015年11月時点)

 

セールス&マーケティング                                                 

借手の開拓には、Google アドワーズ、アフィリエイトとバナー広告などオンラインマーケティングを利用している。一方で、投資家の開拓にはオフラインの営業を活用している。具体的には、当社から独立した個人の営業パートナーが機能しており、創業メンバーの一人セバスチャンはトップセールスマンとして活躍している。

ほかにも顧客認知度向上のため、ヘルシンキ空港の21番ゲートにも広告を出している。

 

帰国時にヘルシンキ国際空港にて。 看板があった! (*‘∀‘)

 

Fixura(フィクスーラ)紹介は、後編につづきます。


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