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メキシコの中小企業

世界でもトップの富豪達を抱える一方で、人口の半数以上が貧困にあるメキシコ。ジニ係数が高い国としても知られています。

メキシコの中小企業の資金源

メキシコは、米国以上に中小企業が支える労働人口が高いため(米国:約50%、メキシコ75%)、中小企業の発展は、経済の底上げ、格差是正には欠かせないテーマです。しかし、同国の中小企業の金融円滑化は、深刻な状況にあります。
メキシコの中小企業の資金源は、「自己資本」か「家族・親戚からの借入」が約80%を占め、銀行からの融資はわずか約2割という現状があります。

 

メキシコ中小企業の資金源

 

この調査結果は、既に資金力のある裕福なメキシコ人でなければ、起業や事業の拡大に必要な資金へアクセスできないことを物語っています。これは、メキシコに限った事ではなく、特に発展途上国・新興経済国に共通する悩みですが、メキシコは特に、民間投資に関する法律の効力が弱いため、当国の投資家は企業登記をカナダにて行うなどして、リスク回避をしています。

また、融資に対する金利が高く(メキシコで2番目に大きい銀行、Banamexのクレジットカードの金利は46% /年)、15歳以上のメキシコ人の僅か27%のみが銀行口座を保有しています。クレジットカードの利用者率も、大国ブラジルと比べると非常に低く、15歳以上の13%のみです。

 

クラウドファンディングの可能性

中間層以下の金融に於いては未発達さが著しいメキシコですが、裏を返えせば、クラウドファンディングの潜在的チャンスが十分にある市場であると専門家は見ています。自己資本や家族・親戚からの借入を資金元にしている企業が約8割もいるという事実の裏には、資金さえ手に入れば、事業を開始・拡大できる起業家が多くいる可能性があります。また、民間投資に関する金融法が脆弱であるからこそ、投資家や中小企業の透明性と保護を確保し、クラウドファンディングに対する教育や研修を通したリテラシーの向上が行えれば、クラウドファンディングが大きな市場に成り得るとの意見があげられています。

 

クラウドファンディング大国である米国の波は、隣国メキシコにも確実に押し寄せています。今後、クラウドクレジットはメキシコの金融市場にも焦点をあてていきたいと思います。

 

 

出所:Barnett, Chance. 2013. “Is Equity Crowdfunding Coming To Mexico?”

Multilateral Investment Fund. 2013. “Crowdfunding in Mexico”

 


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