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英国のP2Pレンディング業者が600万ポンドを北欧のファンドから調達!

MarketInvoice台頭の足跡

オンライン上で借り手と投資家とを結びつけるソーシャルレンディングが世界で注目されています。リーマンショック後に銀行が融資を渋るようになってしまったことや投資家が魅力的な投資機会をみつけにくくなったということの組み合わせが、伝統的な銀行を介さずに企業や個人に直接貸し出すソーシャルレンディングが生まれるきっかけとなりました。MarketInvoiceはそうした金融危機後に出現したイギリスのソーシャルレンディング会社です。

MarketInvoiceのモデルは、未払いのインボイスを担保に、企業に対して融資を行うものであり、企業にとって、すぐに資金を手に入れるためには有効な手段です。MarketInvoiceはこのビジネスにより、2011年の設立から2年後の2013年には黒字化を達成しました。

MarketInvoiceのユニークなところは、設立のためのシード調達を、家族、友人やエンジェル投資家からではなく、企業(欧州のベンチャーキャピタル企業NorthZoneや求人情報検索サイトIndeed.comの共同創業者)から大きな金額の調達を行ったことです。これらの企業からの調達は、(600万ポンド)約10億円にも及びました。

MarketInvoiceの共同創業者であり代表取締役であるAnil Stocker氏は、ソーシャルレンディング市場が、投資家からだけでなく企業からも注目が集まりはじめた時期に起業をしたことは幸運だったと言います。このトレンドにより、MarketInvoiceは自らの資金調達を行いビジネスを加速させるまでの礎をうまく築くことができ、昨年は23億円/月から始まり、現在では46億円/月の与信を行うまでに及んでいます。

MarketInvoiceの新たなチャレンジ

中小企業向けにソーシャルレンディングを行うFunding Circle(英)などの他のプラットフォームは、一般の個人投資家が投資をすることができますが、現在MarketInvoiceは年金基金やヘッジファンド、エンジェル投資家、政府などの一部の投資家にのみ投資を認めています。しかしMarketInvoiceは来年には自社のプラットフォームを個人投資家にも開放しようと考えています。

また、MarketInvoiceは、”License Finance”という商品を打ち出す予定です。一般的に与信を受ける企業は約1.5億円から2億円の売上を保っていますが、これでは十分な運転資金にはならないことが多いのです。”License Finance”により与信の期間を長くすることができれば、例えばIT企業などは、下請けの製造者に早期に支払いが行えるための資金を今までよりも早く手にすることができるようになります。

今後注目が集まるソーシャルレンディング市場で、MarketInvoiceは現在の未払いのインボイスによる融資以外にも新規で斬新な商品を多く打ち出していきたい、更には投資の機会を個人にも広げ、自分達のビジネスをヨーロッパ各国に広げていきたいと意気込んでいます。

出典:Business Insider (2015) UK peer-to-peer lender MarketInvoice just raised £6 million from a Nordic fund

http://uk.businessinsider.com/marketinvoice-raises-6-million-in-series-a-round-2015-8


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