社会的投資ファンドからも投資を受けたコロンビアの債権回収会社
当社がペルーの債権回収会社のKobsa(提携会社KOBRANZAS SAC略称)と提携した延滞債権投資を開始し、1年以上が経ちました。その間もKobsaはペルーにおいて、債権回収業務の規模、プレゼンスを拡大してきました。
コロンビアの債権回収会社Refinanciaはコロンビア債権回収事業の草分け
コロンビアにもKobsaと同じように債権回収業務を行う企業があります。2005年にボゴタにて設立されたRefinanciaという会社です。同社は、1999年の金融危機後に、コロンビアで不良債権の購入・回収を開始した数少ない会社のひとつです。
Refinanciaは、圧倒的な購買力でコロンビア国内の不良債権の約31%を保有しています。同社は、約USD500(コロンビアのひと月あたりの最低賃金の約2倍)の少額不良債権を額面の10%程度で購入し回収業務を行い、投資家に対しては15%から35%のリターンを提供することを目指しています。
Refinanciaの代表は、債権の回収業務を、「電話越しのハラスメント」という印象から「友好的な交渉」という社会貢献的イメージに変えていきたいとの考えのもとで、事業を開始しました。そのために、Refinanciaは、まずは債務者とコンタクトを取り、問題の原因を特定します。一般的にコロンビアでは、ひとたび債務不履行に陥ってしまうと、たとえその後にきちんと債務を完済したとしても、また新たに融資を借りることは難しいという現状があります。同社は、顧客と密なコミュニケーションを取って関係を構築する事によって、一度は優良顧客の道から外れてしまった人に対しても低リスクで融資をすることができると考えています。
債権回収事業のグローバル展開の加速
Refinancia の利益の85%は、経済成長著しいコロンビアにてあげています。コロンビアの2010年の対総融資額の債務不履行率は5.0%だったのに対して、2011年以降は約3.0%前後を推移しており、銀行業市場は好調です。同社の利益の残りの一部は、ペルーであげています。数年前にペルーにオフィスを開設し、50人のスタッフを構えています。更に同社はメキシコにも進出を開始しており、近年メキシコの欧州系銀行より30万件の不良債権を得ました。現在は、合計約80万件、20億ドル分の債権をハンドリングしています。これにより近い将来、同社の利益の約60%が、コロンビア国外より得られると予想しています。
2006年に、Refinanciaは、社会的投資ファンドのSEAFからメザニンの投資を受けていましたが、2014年には米国カリフォルニアのEncore Capital Group が同社の株の51%を買収しました。これにより更に海外展開を加速させており、現在は中南米を中心に7ヵ国でビジネスを行っています。
この様にKobsa以外にも、債権回収業務を行っている企業は世界中にあり、当社はこれからもあらゆる発展途上国・新興国の投資機会も探っていきたいと思います。
出典:Bloomberg Business. (2011) Refinancia’s Applies Charm to Debt Collection in Latin America
Endeavour. (2014) Colombia’s Refinancia Announces Majority Acquisition By Encore Capital; Plans Expansion in Latin America