外資系企業にとってのエストニアの魅力
クラウドクレジットではエコノミストチームをつくり、今後お客様に主にクラウドクレジットが投融資を行っている国の経済動向、為替動向や市場の見方などについての情報を発信していきます!
今回は、マーケティングチームに引き続きエストニアをご紹介いたします。
以前の記述の通り、Skypeの発明やNATOのサイバー防衛センターの設置などでエストニアの電子国家としての知名度が高まっています。
バルト三国の一国であり、地理的の位置からも欧州・アジアの公益の中継点と言えるでしょう。西ヨーロッパ企業にとってはロシアまたは東ヨーロッパへ、そしてロシアならびに東ヨーロッパ企業にとってはEU市場参入のゲートウェイとして機能しています。
また、投資の利益に対する所得税が0%と規定されているなど、投資家にとっては投資を行いやすい環境になっています。米国の政策研究機関であるヘリテージ財団とウォール・ストリート・ジャーナルが共同で発表している「経済自由度指数」(2015年;ビジネス、貿易、投資、金融、会計、通貨、労働、政府の自由、所有権保障、腐敗からの自由の10項目の評価に基づき、国家としての経済システムの自由度を指数化)でEU加盟国中、スイスに次いで第2位(世界8位)となりました。(下記の図参照) 昨今では、東欧圏では最も経済自由化が進んだ国として評価されています。
(ヘリテージ財団)
さて、前述した利益再投資以外にも、法人所得税については内部留保も非課税扱いとされています。何らかの形(配当や贈与など)で企業外への利益移転が行われない限り、課税対象になりません。さらに、グローバル企業にとってエストニアの法人税の低さは魅力的と言えるでしょう。ソ連から独立した当初は、定率で26%、2015年現在は21%まで下がりました。
このようにエストニアでは企業の租税負担は世界の中でも軽いものとなっています。また、国内企業保護を目的とした外資規制はありません。
企業にとって負担の軽い税制や良好な経済自由度を誇るエストニアですが、投資額、雇用創出などに応じて補助金を給付するなど、租税を減免するなどの東ヨーロッパ圏の多くの国で導入されている投資インセンティブは導入されていません。またアジアではシンガポールが国外源泉所得の免税やキャピタルゲイン課税なしといった強力な国家支援を企業に対して行っていますが、エストニアではこういった施策は現時点ではみられません。
外資系企業が事業を行いやすくする施策は世界の様々な国で行われていますが、その中でもエストニアで事業を行うことは、税制や事業の自由度の高さがメリットになるといえます。