エストニア電子投票
先日、エストニアでは電子投票が行われているとご紹介しましたが、今日はその 電子投票に関する仕組みと概要についてお話していきたいと思います。
1999年に身分証明書に関する法律が制定され、15歳以上の国民は身分証明書を所持しなければならないという法律の制定です。それにより、身分証明書にICチップを内蔵し、電子署名することを可能にしました。また、有権者の本人確認と投票内容の秘密を保護するために「封筒方式」を採用することにより、より便利で安全な電子投票を可能にし、電子投票を具現化する上で大きな役割を果たしたと言えます。
「封筒方式」とは、有権者自身がデジタル署名を用いて公開鍵によって投票内容を暗号化し、開票するときまで投票内容を復号化せず、保持して開票時に秘密鍵によって投票を復号化し、集計するというものです。
また、有権者はインターネットに接続されている自宅、勤務先その他のコンピュータにIDカードを読み取ることができるリーダーを接続し、リーダーでIDカードによる本人確認を行います。本人確認が終了すると、電子投票システムは有権者名簿に登載された有権者であるかどうかの確認を行い、投票資格があることが確認されると、投票方向の選択肢が表示されます。投票人による投票結果は公開鍵によって暗号化され、有権者自身がIDカードでデジタル署名し、封印します。
(出典:社会文化研究所紀要65号)
2005年に電子投票が初めて実施されて以来3回ほどの投票データから見ると、投票率は各選挙によって性質が違うために投票率が違うものの、電子投票の参加者数が徐々に伸びています。また、初めてIDカードを用いてインターネット投票のリピーターの割合減りつつあるため、段々定着してきていることが伺えます。