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急成長する不動産クラウドファンディング市場:LendingHomeの事例

2014年末までに約650億ドルにまで膨らんだと言われるクラウドファンディング市場。このうち、不動産マーケットに注がれる資金は急速に増えており、その規模は2015年末までには約25億ドル(全クラウドファンディング市場の約4%)になると予想されています。

その中でも注目を浴びている米国の不動産型クラウドファンディングプラットフォームが、LendingHomeです。LendingHomeの仕組みは、不動産の購入を希望するクライアントが、同社のホームページより必要情報を入力・申請します(所要時間約20分)。その後登録内容は2週間の間ホームページ上に掲載され、それを見た投資家が投資を行います。
平均融資額は180,000ドル。金利は7%で最長30年をかけて返済がされます。

多くの不動産型クラウドファンディング企業が大地主の高額な不動産案件の売買を仲介することが多い中で、LendingHomeは家族世帯規模の空き家物件などのより少額な不動産を対象としているところがユニークです。これまで他のクラウドファンディングプラットフォームが対象としてこなかった小規模の不動産市場に参入したのです。

また、LendingHomeは、他の不動産型プラットフォームよりも多額の資金を短期間で集めていることで話題を呼んでいます。

本業が急成長することで、さらに成長するためのベンチャーキャピタルからの資金調達も他のプラットフォームと比べて大型のものとなっています。

米国の不動産型クラウドファンディングが設立から今日までにベンチャーキャピタルより積上げた資本(百万ドル)

LendingHomeに資金が多く集まっている理由のひとつに、他の不動産型クラウドファンディング会社のRealty Mogul やFundriseが多くの個人投資家から少額を募っているのと異なり、彼らは投資家をヘッジファンド、REIT、大学基金などの機関に限定していることが挙げられます。クラウドファンディングと聞くと、多くの異なる個人投資家が小口投資を行うイメージがありますが、LendingHomeのように企業からまとまった資金を調達するというトレンドは、不動産分野以外のクラウドファンディングでも盛んに見られるようになってきています。

 

LendingHomeは、家族世帯規模の不動産の市場を席巻するとともに、今後個人の投資家にも事業の間口を広げたいとのことです。

 

 

出典:The Real Deal. (2015) With $109M in VC funding, LendingHome takes on mortgage market

http://therealdeal.com/blog/2015/07/27/with-109m-in-vc-funding-lendinghome-takes-on-mortgage-market/

Crowd Fund Beat. (2015) 4 Myths About Real Estate Crowdfunding

http://crowdfundbeat.com/2015/07/27/4-myths-about-real-estate-crowdfunding/


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