投資型クラウドファンディングとは?メリット・デメリットや具体的な投資方法を紹介

投資型クラウドファンディングは、インターネットで気軽に始めることができ、高めの利回りを期待できることから新しい資産運用の手段として注目されています。そんな投資型クラウドファンディングの仕組みとメリット・デメリットについて解説します。

投資型クラウドファンディングとは

クラウドファンディングとは、「群衆(Crowd)」と資金調達(Funding)を組み合わせた造語です。不特定多数の人に資金提供を呼びかけ、趣旨に賛同した人から資金を集めることを意味します。

投資型クラウドファンディングとは、インターネットを通じて、お金を借りたい人(企業・個人)とお金を貸したい人(投資家)とを繋ぐサービスであり、金融商品の1つです。投資型クラウドファンディングは、「貸付型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)」と呼ばれることもあります。

投資型クラウドファンディングサービス事業者は、インターネットを使って資産運用したい個人投資家から小口のお金を預かり、大口化してその資金を主に企業の借り手に融資します。融資なので、借り手は資金を返済する必要があります。融資の契約期間が経過した後、利息を含めた返済金が個人投資家に還元されます。

投資型クラウドファンディングのリスクとリターンとは

金融商品には必ず「リスク」と「リターン」があります。

リターンとは、投資で得られる収益のことです。リスクとは「危険」という意味ではなく、「リターンの振れ幅」のことです。下の図をご覧ください。

有価証券Aと有価証券Bの価格変動を表しています。有価証券Aより有価証券Bの方が価格の変動幅が大きいので、「有価証券Aより有価証券Bのリスクが大きい」と判断します。

リスクとリターンには密接な関係があり、リスクを抑えればリターンが低くなり(ローリスク・ローリターン)、リスクを取ればリターンも大きくなります(ハイリスク・ハイリターン)。

投資型クラウドファンディングのリスクとリターンは案件ごとに異なるため、1つ1つ案件紹介ページを確認する必要があります。

投資型クラウドファンディングのメリット

それでは、投資型クラウドファンディングのメリットについて見ていきましょう。

高い利回りが期待できる

投資型クラウドファンディングの表面利回りは、例えば当社の2021年1月~6月実績で概ね4~12%程度と、大手銀行の定期預金が0.01%の時代に非常に高い水準です。

少額から始められる

事業者によって異なりますが、1口1万円程度と少額から始められるのも投資型クラウドファンディングの魅力です。

手間がかからない

投資型クラウドファンディングは、一度運用が始まると期間終了まで特にすることがありません。

日々の値動きを頻繁にチェックする必要がないので、日中働いている人でも安心して投資できます。

海外に投資しているファンドの場合、為替リスクがあるので注意が必要です。「為替リスクを負いたくない」という人は、為替ヘッジが効いているファンドを購入するといいでしょう。為替ヘッジにはコストがかかるため期待利回りが下がってしまいますが、為替ヘッジによって利息や元本が減るリスクをなくすことができます。

無料で新規登録

投資型クラウドファンディングのデメリット

元本が保証されていない

投資型クラウドファンディングは、銀行預金と異なり元本が保証された金融商品ではありません。お金を貸した企業が業績悪化などの理由からお金を返済できなくなると、手元に戻ってくる金額が貸した金額より少なくなってしまう可能性があります。

いわゆる、融資先の貸し倒れや返済遅延です。貸し倒れとは、融資先企業の業績不振などが理由で、貸付金の返済ができない状態になることです。投資金の一部または全額が返済されないため、投資家は損失を被ることになります。 返済遅延とは、あらかじめ決められた期日までに返済できず、返済期日を後ろ倒しにすることです。返済遅延は将来的に元本が返済されるケースもありますし、最終的に貸し倒れに至ってしまうこともあります。

途中解約ができない

投資型クラウドファンディングは、一度投資を行うと満期を迎えるまで資金がロックされ途中解約することは原則できません。急に資金が必要になった場合でも、運用期間終了まで待たなくてはなりません。これは返済遅延が起こった場合も同様です。投資型クラウドファンディングに投資する場合は、必ず余裕資金で行うようにしましょう。

短期間では大きな利益が狙えない

投資型クラウドファンディングは高い利回りが期待できます。ただし、株やFXのように短期間で資金が数倍になるようなことはありません。コツコツと長い時間をかけて運用する金融商品だということを認識するようにしましょう。

投資型クラウドファンディングの投資方法

以上のメリット・デメリットを踏まえて、投資型クラウドファンディングを資産運用に取り入れるにはどうしたら良いのでしょうか。具体的な投資方法として「分散投資」について解説します。

分散投資

投資型クラウドファンディングは、高い利回りが狙えるファンドがあるものの、損失が発生する可能性もあります。融資先企業が貸し倒れるリスクがあるからです。

そのようなリスクを低減する手法が「分散投資」です。分散投資とは、投資対象を多様化させリスクの集中を避けることです。株や債券、不動産など値動きの異なる資産へ投資することで、リスクを分散させます。

「卵は一つのカゴに盛るな」と古くから伝えられる投資格言があります。これは「卵を一つのカゴに盛ると、そのカゴを落とした時に全部割れてしまう可能性があるため、複数のカゴに盛ることで、一つのカゴを落としても他のカゴの卵を守ることができる」ということです。つまり、リスク分散、分散投資の重要性を意味しています。

投資型クラウドファンディングのみで考えても、複数の案件に分散投資してリスクを下げることが重要になります。たとえば、特定のファンドに集中投資していた場合、そのファンドの投資先が貸し倒れを起こすと、投資金額が大きく減ってしまいます。しかし複数のファンドに分散投資しておくと、ほかのファンドの利益である程度損失をカバーすることができます。

海外ローンに特化している「クラウドクレジット」とは

投資型クラウドファンディングの中でも「分散投資のしやすさ」と「海外ローン」に特化して独自色を打ち出している事業者が「クラウドクレジット」です。日本国内にいながら、海外の様々な事業者に融資が可能です。成長国の経済成長を、投資を通じて取り込むことができます。

特にクラウドクレジットには、「マイクロファイナンス機関」などの金融機関向けに融資を行う案件やSDGs投資ができる案件が数多く揃っています。

マイクロファイナンス機関とは

マイクロファイナンスとは、従来の金融サービスにアクセスできる環境にない方々を対象に提供する金融サービスの総称を指します。こういった金融サービスを提供する会社等をマイクロファイナンス機関と呼びます。提供している金融サービスの内容に応じて、マイクロクレジット、マイクロインシュアランス、マイクロセービングなどがあります。

マイクロクレジットとは、従来の金融機関では信用力が低いために借入れができない主に貧困層向けの少額融資サービスのことです。マイクロクレジットでは、多くの場合、担保を取りません。よって、一般的な融資と比べると、とくにリスク管理が課題になります。こうした課題に対して、借入人による少人数のグループをつくり連帯責任で返済する仕組みを活用する、家計や事業運営のアドバイスをあわせて実施することで借入人のファイナンシャル・リテラシーを高める等により、返済率を高める工夫を凝らしています。もっとも、こういった工夫がどの程度効果が見込めるかについては現在も議論を重ねているところです。

世界に金融サービスへアクセスできない人々はどのくらいいるのか

日本国内においては1960年代以降、いわゆる高度経済成長期に銀行から民間企業への貸出ニーズが高まったことを受けて、各行が先を争って預金集めを実施したこともあって、ATMや給与振込サービスなどが急速に浸透しました。口座維持手数料が無料なのが一般的であるという特徴も手伝って、現在では日本国内の成人の銀行口座保有率はほぼ100%となっています。

また、厳格な戸籍管理システムが確立していることで、本人確認証の非保有者が少なく、銀行口座開設のハードルが高くない点も見逃せないでしょう。こうした恵まれた日本国内の環境にいる私たちにとって、世界のなかには銀行口座を開設できない方々がいるというのは正直あまりピンとこないという方もいらっしゃるかもしれません。

世界銀行によると、2018年時点で世界の成人の約31%にあたる17億人もの方々が、ファイナンシャル・エクスクルージョン(金融排除)の状態に置かれているとされています。ただ、これでも2011年以降、約12億人の方たちが金融機関の口座開設を行ったことを勘案すると、ファイナンシャル・エクスクルージョン(金融排除)は減少傾向にあるといえます。この減少の背景には、マイクロファイナンスやFinTech(フィンテック)サービスの普及などが挙げられます。

案件にもよりますが、クラウドクレジットで投資を行うことでファイナンシャル・インクルージョンを推しすすめることができます。

まとめ

投資型クラウドファンディングはクラウドファンディングの一種で、比較的新しい金融商品です。投資型クラウドファンディングの事業者や案件毎によって異なりますが、1万円前後と少額から投資でき、高い利回りが期待できます。ただ、投資型クラウドファンディングは元本保証の金融商品ではありません。リスクを低減させるためには分散投資が効果的です。

まずは、投資型クラウドファンディング事業者に口座を開いて、少額から投資を始めてみてはいかがでしょうか。

無料で新規登録