為替ヘッジ付きのファンドを選ばないとき 第3回

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前回は海外債券投資(海外ローン投資も)を行うにあたっては、為替ヘッジを行うことが一般には原則といわれていることをご紹介しました。
 
為替ヘッジ付きのファンドを選ばないとき – 第2回

その上で、それだけでは投資家の方の投資方針に合わなかったりマクロでみてもお金がうまくまわらなかったりするので、現実には海外の債券やローンに投資を行うにあたっては為替リスクとどう付き合うかも考える必要がでる可能性が高いこともご紹介しました。

今回のブログでは、その為替リスクとの付き合い方の一例をご紹介します。

 

海外投資では「一度決めた方針を変えないこと」が大切

これは海外株式、海外債券を問わずですが、海外投資を行うにあたって大切といわれる原則は、一度為替ヘッジ有りか無しかを決めた資産についてはその方針(為替ヘッジ有りか無しか)を継続することだといわれています。

この原則の理由は、簡単な例ですぐイメージが湧くと思います。

 

(出所:Thomson Reuters)

 

上記は過去20年間のドル円の為替レートの推移です。

アベノミクス相場で円安トレンドだった2012年末~2015年前半以外は、ほとんどの時期が円高トレンドです。

このチャートを今再度みただけで、やはり外貨建てでの投資はいやだと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、大丈夫です。

 


円建て、ドル建ての金利の投資パフォーマンスを比較すると

まず、例として1998年の年初から2007年末までの10年間、円建てとドル建てで、それぞれの通貨の政策金利で各年運用を行ったとした場合のパフォーマンスを比較してみます。

この期間におけるドル円の為替レートは以下の通りです。

 

(出所:Thomson Reuters)

 

ドル円の為替レートは1998年初めの130円台から2007年末には108円台に、13%程度も下落しています。

しかし円建てとドル建ての投資パフォーマンスは以下の通り、ドル建ての方が円建てを大幅に上回っています。

 

これはご存知の通り以下のようにドルの方が円よりも政策金利が高かったため、ドル建ての資産の価値は年々複利で増加し、その資産価値の増加が為替レートの変動による損失を上回り、円建てでの投資をアウトパフォームしたものです。

 

 

 

これはたまたまこの期間がそうだったのではなく、1997年~2006年の各年の年始から10年間同様の投資を行った場合、10パターン中7パターンで10年の間にドル円の為替レートが下落しているのに対して、投資のパフォーマンスで円建ての投資がドル建ての投資を上回っているのは3パターンのみです。

話を簡単にするために過去20年間、年始からの投資、各年各通貨の政策金利での運用、という前提で比較しましたが、前提を変えたりより精緻化したりしても、10年間という投資期間を変えなければだいたい同じ結果が出ると思います。

以前私が銀行員だった際にもっときちんとしたシミュレーションを行ったことがあるのですが、その際の結果では投資期間が1年や3年だと外貨建て金利投資のパフォーマンスはニアリーイコールで為替の動きになってしまい、5年でもやはりパフォーマンスは為替の動きにかなり左右されてしまうものの、投資期間が10年くらいになるとずっとためてきた金利収入の全てが一度の為替ロスでふっとんでしまう確率がだいぶ下がってくる、という結果がでました。

 

 

ただしここで注意が必要なのは、上記の例でも1年目、2年目は資産価値が当初投資額を割り込んでしまっており、7年目にももう一度為替ロスによって円建ての投資のパフォーマンスを一時的に下回るなど、外貨建ての運用は資産価値の変動がやはり常に大きいです。

つまり、1年目、2年目のような状況で「為替でやられてしまうのでは意味がない」と外貨建ての投資をやめてしまったり、7年目のような状況で「7年間もかかってためた金利収入がほとんど全部為替ロスで消えてしまった!」とびっくりして外貨建ての投資をやめてしまったりすると、外貨建ての投資で円建ての投資よりも高いパフォーマンスを狙いにいけるということには全くなりません。

 

 

こういった背景から、再度になりますが、海外投資においては「ある資産について一度為替ヘッジを行うか行わないかを決めたら、その資産については決めた方針(為替ヘッジの有無)を継続することが大切」といわれています。


現在新規の投資をご検討中の方は

また、現在海外のローンに投資を行うに際して為替ヘッジの有り/無しのどちらを選択するかを考えている方については、今回のブログでご紹介したことを当てはめると、

・短期でみると為替レートの変動によって金利収入より大きな幅で資産価値が増えたり減ったりしてしまってもそれほど気にならない

・ 定期的に為替レートの変動による資産価値の大幅な下落を経験することへの心の準備がそれなりにできている

・その通貨(外貨)での運用を10年以上の長期にわたって続けるつもり

・ファイナンスの教科書に載っているようなリスク/リターンの最適化よりも、市場の変動に振り回されてでも長期でみると結果的により高いリターンを実現する確率を上げることに興味がある

という上記の4つのポイントの全てが当てはまる方については、円建てより外貨建てでの投資の方が向いているかもしれません。

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