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途上国金融勉強会 開催報告

9月17日(木)に途上国の社会起業家に対し投資を行うARUNと一緒に途上国金融勉強会を開催いたしました。当日は生憎の雨模様ではありましたが、満員御礼での開催となりました!

(ARUNの功能さん(左)と当社代表の杉山)

 

この勉強会は、投資という形でお金を循環させることで、途上国にどのような社会的インパクトをもたらすのか、また、金銭的リターンと社会的リターンの両方の観点から途上国金融についての学びの機会をつくれたら、という想いでARUNの功能さんにご協力いただき実現しました。

 

簡単にARUNのご紹介をしたいと思います。ARUNは2009年に途上国と双方向でつながる新しい社会的投資プラットフォーム構築を目指し設立されました。“ARUN”とはカンボジア語で“暁・夜明け”を意味し、新しい社会を創ろうという希望とエネルギーを表しています。2015年5月には、ソーシャルビジネスにおいて優れた取り組みを表彰する日経ソーシャルイニシアチブ大賞の国際部門賞を受賞されています。

ARUN合同会社 : http://www.arunllc.jp/

 

 

社会課題の解決に金融の力を使っていく

最初に“社会的投資”とは何かについて、功能さんにお話いただきました。

端的に言うと、社会課題を解決しながら経済的利益を同時に生み出す投資手法のことを社会的投資と呼びます。
社会にお金を循環させる方法として、投融資や寄付などの手段が挙げられますが、社会的リターンよりも経済的リターンを優先させるものが投融資、経済的リターンよりも社会的リターンを優先させるものが寄付だとすると、そのはざまにある社会的リターンも経済的リターンも両立させる、投融資・寄付の資金が入らない領域へお金を流入させるものが社会的投資と言えるでしょう。

 

ところで、“社会的”とは何でしょうか?

“社会的”という言葉の意味する範囲は広いですが、ARUNでは“社会的とは投資家側の思想・目的を反映したもの”という考え方に基づき、インドの農村で電気を普及させることや、無医村へ医療サービスのアクセスを届ける、国の農業政策へ影響させる、といったようなインパクトが出せる案件に投資をしている、というお話がありました。

社会課題の解決に金融の力を使っていこうという強い意志がある投資のことを社会的投資と考えている、という言葉も印象的でした。

 

途上国金融の新潮流、ミッシングミドルとは?

2006年にバングラデシュのグラミン銀行がノーベル平和賞を受賞したこともあり、金融面での途上国支援の手段としてマイクロファイナンスが有名になりましたが、現在、マイクロファイナンスはひと段落し、ミッシングミドルに対する支援に焦点が移行しているともいわれています。

ミッシングミドルとは寄付やマイクロファイナンスの対象ではないがゆえに、資金供給が円滑に行われていない中間層のことを指します。(詳しくはこちらもご覧ください。)

ミッシングミドルに対してのクラウドクレジットのアプローチとして、ペルー小口債務者支援プロジェクトを実施しています。これは銀行から延滞している零細企業向けや消費者ローンを安く買い取り、債務者との返済相談・減免交渉をし、約3年をかけてその額面の1.5倍程度での回収をめざすものです。

このプロジェクトにより、延滞債権者は必要に応じて減免を受けながら返済をすることで、再び金融機関から借り入れをできる状態に戻れるようになり、ビジネスの再チャレンジや継続および拡大につなげることができるという、社会的リターンと経済的リターンの両立を目指した商品です。( 詳しくはこちらもご覧ください。)

 

功能さんのお話のなかで、世界的には社会的投資の投資先は大まかに先進国と途上国で半々であり、最近では北米の低所得者向けのハウジングサービスが占める割合が多くなってきている、というお話がありました。アメリカでは移民が多いので、先進国とはいえ、銀行へのアクセスが無いミッシングミドル層が一定数存在している、というお話も興味深かったです。

 

今回の勉強会に出席された方の中には、資産運用を考えるうえで、アセットアロケーションの中で社会的投資を組み込んでみたいという方が多くいらっしゃいました。そういった方々のご要望にも応えられるような商品組成と勉強会の企画に今後も注力していきます。


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