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ついにイギリスでP2PレンディングがISAの対象に!

日本でもNISA(少額投資非課税制度)が2014年1月に開始されましたが、イギリスにISA(Individual Savings Account)が導入されたのは16年前。イギリスでは、1999年から株式や投資信託による収入やキャピタルゲインに対して税が免除される制度が存在していました。

しかしP2PレンディングはISAの対象外でした。そのため、これまではP2Pレンディングは利益を生む投資としてのイメージが低かったのです。

しかしそれが変わろうとしています。先日、イギリスのジョージ・オズボーン財務相はP2Pレンディング市場の大きな転換点となる発表を行いました。

「ISAの適応範囲を広げる。政府は、2016年4月6日から、イノベーティブ金融ISAという新たなISA制度を導入し、P2Pプラットフォームを通じた融資をこの対象に含める。更に、クラウドファンディングのプラットフォームを通じた債券やエクイティ(株式)への適応も検討する。」(2015年イギリス予算案)

これはイギリスのP2P業界にとってはビッグニュースです。主要なP2Pプラットフォーム運営者は皆、この政府の決定を歓迎しています。彼等の声を聞いてみましょう。
 

 
ZopaのCEO兼共同設立者、Giles Andrews

「今日のニュースは業界の様相を一変させるでしょう。特にこれは金融危機後、低いリターンに苦しんできた多くのイギリス人投資家にとって朗報です。財務相がZopaの様なサービスに対してオープンになったことで、投資家がより高いリターンを狙って従来の銀行を離れ、P2Pレンディングに移る可能性が高まりました。この新しい制度は、ローリスクで信頼できる投資機会を投資家に提供するでしょう。我々はこの新しい制度に大きな需要があることを確信しており、Zopaを通じたP2Pレンディングがイギリスにおいて最も人気のある投資方法となることを信じています。」

 


RatesetterのCEO兼共同設立者、Rhydian Lewis

「財務相は、従来の金融システムの壁を壊し、イノベーションを推進し、預金者と投資家に投資の機会を与えることを確信している様に見えます。イノベーティブ金融ISAは多くの投資家を勢いづけ、小規模ビジネスと個人投資のマッチングの機会を増大させるでしょう。新しいISAは、低い利益率とハイリスクという小規模投資の問題を解決する役割を果たします。RateSetterを通じた投資がISAの対象になることで、高額納税者は350ポンド、基本的な納税者でも175ポンド程を節約できる事になります。今回の財務相の発表は、投資家の選択幅を広げ、ISA市場を活性化するでしょう。」

 


Funding CircleのCCO兼共同設立者、James Meekings

「今回の財務省の決定は業界にとって大きな転換点となるでしょう。それは投資家達にメリットがあるだけでなく、小規模ビジネスの資本へのアクセスを容易にし、結果的に経済の活性化にも貢献します。我々の調査によると、41%の投資家が、ISAから、Funding Circleを通じてより多くの投資を行いたい、と答えています。イギリスの調査会社、TISA(Tax Incentivized Savings Association)の推計によると、現在イギリスでは500億ポンド以上が毎年ISAに投資されています。このうちたった3%がFunding Circle等の市場を通じて投資されるだけでも、毎年15億ポンド以上がビジネスに投資されることになり、約7,500の新しい雇用が生まれる事になります(政府系シンクタンクNestaの調査によるとFunding Circleを通じて融資を受けたビジネスは平均して11%の新しい雇用を創出、27%の雇用増に貢献している)。」

 


LendInvestのCEO兼共同設立者、Christian Faes

「財務相の決定はイギリスのP2P業界に大きなインパクトを与えるでしょう。イノベーティブ金融ISAという新しいカテゴリーは業界にとって大きな追い風となり、我々を金融業界の主流に導くと思います。LendInvestは来年4月6日のイノベーティブ金融ISAのスタートに適応できるよう全力で努力していきます。」

最も大きなチャレンジは、今回の決定を受けたP2Pレンディング業界への巨額の資金流入にどう対処するか、という「前向きな課題」です。イギリスのP2Pプラットフォームは今、巨額の資金受け入れ準備に勤しんでいます。


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