ウクライナ情勢 エネルギー供給
こんにちは、エコノミストチームです。
以前、ウクライナ情勢の為替への影響についてお話ししました。最近は、ウクライナを巡る地政学リスクが後退していますが、ここで一度どういった地政学リスクが懸念されていたかお話させていただきます。
ウクライナ問題の悪化は、2014年3月の貿易制限などの欧米の対ロシア制裁強化へつながり、2014年8月にはロシア側もEUからの農産物・食料品の1年間の輸入禁止という報復措置をとりました。欧州ではロシアとエネルギー関連を中心に相互に強い経済関係を持っているため、エネルギー供給の停止への危機感が浮上するに至りました。
特にバルト3国は、天然ガスや原油のロシアからの輸入依存度が高いため、エネルギー供給の停止で受ける影響は大きくなります。そのため脱ロシア依存に向けて天然ガス転送網ネットワークを構築するなどの動きもあります。
(出所: Eurostat, Crowdcredit)
(注: ロシアシェア上位15位のみ抜粋)
では、実際にロシアによるエネルギー禁輸は現実的なのでしょうか。次回では、ロシアのエネルギー禁輸についてお話いたします。