金融包摂にむけたファンドの動向
こんにちは、マーケティングチームです。
金融市場の発展から取りこぼされてきた人々や会社にも、彼らのニーズに合った金融サービスを提供すること。
「金融包摂」或は「ファイナンシャル・インクルージョン:FI」には、このような想いが込められています。
当社の事業も、この目標に賛同するところがあったからこそ開始されました。
このミッションの実現に向けて組成されたファンドが増えています。
2012年、資金拠出が確約されたファンドは12%増え、290億ドル(約3.4兆円)に膨らんだと予想されています。
上記を見ると、資金拠出者のうち、多くを占め増加が見られるのは公的機関であるのがわかります。これら公的ファンドは、単に金融機関への資金融通を行っているわけではありません。昨今の公的ファンドは、プロジェクト型のものが増えています。これらのファンドは、「新しい金融商品の開発」、「金融機関のオペレーション能力の強化」などのプロジェクトに注ぎ込まれています。多くの公的ファンドは、近年の金融機関の問題は、資金が不足している事ではなく、資金を有効に使い、管理する能力が不足していることだと考えています。
この公的機関によるプロジェクト型ファンドは、ラテンアメリカ・カリブ海では減少にあり、東ヨーロッパ・中央アジア、サブサハラアフリカが増加しています。ラテンアメリカ・カリブ海は、2012年に満期に達したプロジェクトが多いようです。一方、東ヨーロッパ・中央アジア、サブサハラアフリカは、これまでに投入されてきたプロジェクトは少なく、金融セクターの環境整備はこれからという印象を受けます。
金融商品の開発や金融機関の発展を手掛けたプロジェクトが既に満期に達しているラテンアメリカ・カリブ海は、民間投資が参入しやすい市場なのかもしれません。現に、係る地域への資金流入は、新興援助国(資金提供者)は減っていますが、投資家は増えています。
今後、公的ファンドのプロジェクトにより、より多くの地域が、金融商品を増やし、金融機関の運営をスマートにすることができれば、投資もしやすい環境になっていくことでしょう。
今後、新興国への投資を考えている方々は、この様なファンドの動向なども把握しておくとよいかもしれません。
出所:CGAP http://www.cgap.org/data/trends-international-funding-financial-inclusion