世界のマイクロファイナンス規模
クラウドクレジットがペルーを先行投資先として選んだ理由のひとつとして、比較的「信用市場の金利水準が高い」ことは以前のブログでも述べています。
これには、そもそも、マイクロファイナンスと一口に言っても、地域・国・文化などによって、融資の規模、顧客のタイプがかなり異なることが影響しています。
2012年のマイクロファイナンスの統計を見てみましょう。
出所:Microfinance Barometer 2014 (データ元:MixMarket)
※データはMixMarketへの報告を行っているマイクロファイナンス機関のみを対象としているため、実際の市場規模はもっと大きい。
ラテンアメリカ・カリブ海のマイクロファイナンス顧客数は南アジアのそれよりも28百万人ほど、少ないことがわかります。しかし、融資額においては、ラテンアメリカ・カリブ海は、南アジアの約3.8倍です。
実際に地域ごとの融資額を顧客数で割ってみると、
- ラテンアメリカ・カリブ海の平均融資額は、1,740ドル/一人。
- 南アジアの平均融資額は、187ドル/一人。
と、非常に大きな差があることがみてとれます。
融資額が大きいと、顧客ひとりあたりの取引コストも下がり、マイクロファイナンス機関の収益率が高まる傾向にあります。これにより、投資家の期待リターンも増える傾向があります。
また、ラテンアメリカ・カリブ海の、農村へのマイクロファイナンス普及率は、38%と、他の地域と比べて最も低いこともわかります。ラテンアメリカ・カリブ海域では、都会におけるマイクロファイナンスの利用者が比較的高いようです。
農村の貧困層よりも都会のより所得水準が高い層を対象とすることが多いラテンアメリカのマイクロファイナンス機関は、金利を高く設定することができるという可能性が考えられます。
ペルーをはじめとしたラテンアメリカ・カリブ海域の貸付金利が高い要因は他にもありますが、一人あたりの融資額がより大きいこと、都会における借り手がより多いことが少なからず影響していると考えられます。