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為替ヘッジ付きのファンドを選ばないとき

クラウドクレジットの杉山です。

今回は、当社が為替ヘッジ取引を行うことにより「円建て」で海外のローンに投資を行う機会をご提供している中で、どういうバックグラウンドで外貨建てのローンに投資を行う意義があるかについてご説明をさせて頂きます。

 

 

外貨自体は通常は投資対象ではない

外貨自体は(FXでトレーディングを行うのでなければ)本来投資の対象ではなく、海外の資産に投資を行うにあたってどうしても”くっついてきてしまう”ものです。

たとえばアップルやfacebookの株式に魅力を感じて投資を行う場合、投資家の方はあくまでアップルやfacebookの成長力に期待をして投資を行っていますが、アップル株、facebook株はドル建てですので、投資家の方はアップル株、facebook株の価格が変動するリスクに加えてドル/円の為替リスクも負うことになります。

その際に、ドル/円の為替リスクを負う中でドル/円の為替相場に、アップル、facebookの成長のような見返り(リターン)を期待している方はあまり多くないと思いますので、やはりどうしても「くっついてきてしまう」ものという位置づけになっているのではないかと思います。

投資信託では投資対象が海外の株式や債券でも為替ヘッジを行っているものが増えてきていますが、そういった投資信託以外では為替リスクは勝手にくっついてきてしまいます。

 

 

外貨リスクの資産運用/家計における位置づけ

原則としては上記の通り海外の資産に投資を行う場合、投資を行っている対象はあくまでアップル株、facebook株といった原資産です。

それでは、くっついてきてしまう外貨のリスクは資産運用においてどのように考えればよいのでしょう。

現在の日本は非常にざっくり言いますと、外国との貿易における輸出の量も輸入の量もだいたいGDPの10%くらいです。

とすると、とくに輸入のところで今後もし円安になると原油等の輸入を行っているものの物価があがることになるため、外貨建ての資産を保有していると結果的に家計全体でみたときにこの輸入物価上昇のリスクのヘッジになります。

逆に円高になると保有している外貨建て資産の価値自体は円建てでみて目減りしてしまいますが、やはり家計全体でみると、輸入物価が下がることを通じてとんとんになっていると考えることもできます。

そう考えると、現在の日本の貿易の大きさを考えると金融資産のうち10%くらいは外貨で保有していてもよいのでは、ということになるかと思います。

 

 

ソーシャルレンディングに外貨で投資を行う意義

ソーシャルレンディングに投資を行っている個人投資家の方がソーシャルレンディング以外のどういう資産に投資を行っているかは人それぞれかと思います。

その中で、ご自身の資産運用ポートフォリオ全体でみたときに他の投資、たとえば株式や投資信託での投資はほとんど国内投資になっている方ですと、お持ちの金融資産の10%に相当する額くらいはクラウドクレジットのファンドに投資を頂く場合でも外貨建てを選択いただくことによって家計全体での為替リスクのヘッジを行って頂くのもひとつの手かと思っております。

一方で、ローンというアセットクラスは株式等の常に価格が変動し、明確に定められた返済スケジュールがないものと比べて為替ヘッジが行いやすいです。

為替ヘッジ付きで海外資産に投資を行う投資信託も上記の通りおなじみになってきていますが、その為替ヘッジのオペレーションは単純にローンの為替ヘッジを行う場合に比べて複雑なものになっており、個人投資家の方からみてリスクのありかが分かりにくくなっています。

そのため、海外の株式や債券に投資を行う投資信託に積極的に投資を行っている(金融資産の10%が目安)方の場合は、投資信託は為替ヘッジの付いていないシンプルなものに投資してそちらで為替リスクを負い、クラウドクレジットのファンドでは為替ヘッジ付きのファンドに投資頂くことをお薦めさせて頂いています。

 

 

相場変動の大きな時も通常運転の資産運用を

上記は当社がご紹介をさせて頂いている外貨投資に関するひとつの考え方ですが、ぜひご自身でもソーシャルレンディングのみならず資産運用ポートフォリオ全体、家計全体もみたうえでの為替リスクというものを一度考えてみられてください。

そうすることでご自身の投資スタイルに合った円建て、外貨建て投資の比率を整理することができ、為替相場が比較的大きく動いた時でも通常運転の資産運用が行えると考えております。


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